「甲子園の魔物」の手が守備側のエラーを招いた一日 | 高校球児たちのあしあと
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「甲子園の魔物」の手が守備側のエラーを招いた一日

2019年10月8日

この異常なほどのエラーの多さは「魔物」の仕業としか?

 

こんにちは。8月11日(日)の甲子園の試合をご覧になりましたでしょうか?

今日は今年の”優勝候補”と呼ばれる強豪校同士の対決が2試合もありました。

それだけでも十分見応えがあったのですが、その2試合ともに、異様なほどにエラーが目立ちました。

しかも、、『鉄壁』であるはずの手堅い守備が定評の近江(滋賀)と、花咲徳栄(埼玉)にその”あり得ない”エラーが存在しました。

はっきり言って信じがたいミス、、。信じがたいエラーです。

なぜ?

その問いに対して納得のいく理由を見つけるには、やはり昔から言われている「甲子園の魔物」に責任を押し付けるしかないのでは?そうとしか思えませんでした。

”イレギュラー”など、守備の手前でゴロのバウンドが急変することによるエラーなどはよくある話ですが、今日は”信じがたい”光景を2つ、実際に映像で目にしましたので、それらを中心に2試合の経過を追っていきたいと思います。

 

度重なる失策で流れを相手に渡してしまった近江

東海大相模(神奈川)6-1  近江(滋賀)

相 模 000 113 001 6

近 江 000 000 010 1

(相)遠藤、野口、紫藤―井上

(近)林―有馬

有馬バッテリーが甲子園に帰ってきた!

この試合は若干の興奮を抑えられず見ていましたが、、有馬の送球ミス、内野陣のエラーを目の当たりにする度、「えっ?なんで、、」という気持ちを抑えられませんでした。

終わってみれば6失策、、。

滋賀地方大会ではノーエラーで勝ち上がってきた鉄壁の守備陣であるはずの近江にほころびが生じていました。

これが甲子園の魔物の力か、、そう考えていました。

しかし、あとから分かったことですが、東海大相模『アグレッシブベースボール』攻撃的野球近江の守備陣が少なからず動揺を受け、それがエラーを誘発していたようです。

他の試合でも解説の方がおっしゃっていましたが、バッターが1塁に全力疾走すると、ゴロをさばいて送球しようとする守備側は少なからず焦りを覚えると、、。

この試合はその東海大相模攻撃的野球近江を打ちのめした結果、、と言えそうです。

ですが、どうしてもそれだけでは説明のつけようがない現象が一つありました。

本日先発した東海大相模の遠藤投手。彼は秋田出身ということで、特に格別な思いで見ていたのですが、途中、”ありえない”ことが起きました。

投球直前、バランスを崩したのか、足元から崩れ落ちるようにピッチャーマウンドにへたり込み、そのまま投球できず、、結果としてボークに、、。

「何が起きたのか、、?」

私も長年、高校野球を観戦していますが、あのような光景を見たのは正直初めてでした。

疲労? 急な筋肉の張り?

何とも理解しがたい光景ではありましたが、、甲子園ではいろんなことが起きるものですね。

近江の初戦敗退は残念でした、、。

しかし、ピンチに陥っても、キャプテンとして常に笑顔を絶やさず、皆をリードしていた有馬選手の顔は昨夏のものとは全く違って見えました、、。

金足農業に2ランスクイズを決められた夏から1年。

今日の8回裏、2死満塁のチャンスで彼に打順が回って来たとき、甲子園の観衆全体から拍手、手拍子で大きな後押しを受けました。

それは、昨夏、自分たちが大きなプレッシャーとして感じた、金足農業に向けられたもの。

日刊スポーツの記事によると、有馬選手は、「金足農に勝るような後押しをもらった。一番楽しい1打席でした」と感謝したそうです。

その言葉、あの笑顔。私はこの1年で彼の大きな成長を感じた気がしました。

もう一つ、忘れられない場面が、、。

9回裏、近江最後の攻撃。

近江側のベンチでは投手、有馬捕手の二人が常にベンチの最前列に立ち続け、バッターに大きな声を出し続けていました。

あの1シーンは、今夏の甲子園で今現在、最も印象に残るものです。

非常に感動的な場面でした。

残念ながら敗れてしまいましたが、彼らの成長した姿、あの感動的な場面を見られただけでも良かったと思います。

昨夏の金農に敗れた1戦を忘れず、滋賀地方大会を勝ち抜き、甲子園にもう一度姿を見せてくれた二人に「ありがとう。」と言いたいです。

 

今大会一、守備に定評のある花咲徳栄も「魔物」には勝てず?

花咲徳栄(埼玉)3-4  明石商業(兵庫)

花 咲 000 101 100 3

明石商 000 021 10X 4

(咲)中津原、高森―菅原

(明)中森―水上

▽本塁打 水上1号(2)(中津原)菅原1号(1)(中森)

この試合もまた、今大会の優勝候補同士がぶつかる、ある意味”もったいない”一戦でした。

この試合においてもまた、「甲子園の魔物」の存在を感じずにいられませんでした。

今大会出場校のうちでは最も守備が固いという噂の花咲徳栄にエラーが、、。

しかも一つだけではありませんでした。エラーは明石商業側にも同様に見られましたが、東海大相模遠藤投手のように、「?」と思いたくなるようなシーンが、、。

花咲徳栄のショートが内野ゴロをさばいた時のことです。

ボールをつかんで1塁に送球しようとした際、どうしたのか、足がもたつき、送球動作が1ステップ遅れました。

それは何かにつまずいたというわけでもなさそうですし、東海大相模の遠藤投手の件と同様、「足の疲労」や「筋肉の張り」とかぐらいしか思いつかない、何とも不自然な動きでした。

もはや、甲子園のグラウンドに魔物が住んでいて、地中から手を伸ばして守備の選手の足を引っ張った、としか見えないような、、それぐらい不自然な動きに見えました。

結果としては、近江のように、それまで鉄壁の守備を誇っていた花咲徳栄もこれらのエラーが重なり、流れを明石商業に渡してしまった感がありました。

また、それとは別に、明石商業の注目選手、来田(きた)が調子を取り戻し、複数ヒットを放って勝利に貢献したのも大きかったと思います。

花咲徳栄も一時、ホームランを放って同点にするなど、粘りを見せましたが、最終的には明石商業打線に屈した形となりました。

いずれにしても、今日一日で優勝候補の一角、近江花咲徳栄が姿を消しました。

 

【8月11日の結果】

筑陽学園(福岡)3-5  作新学院(栃木)

東海大相模(神奈川)6-1  近江(滋賀)

中京院中京(岐阜)4-3  北照(南北海道)

花咲徳栄(埼玉)3-4  明石商業(兵庫)

 

【8月12日の予定】

宇和島東(愛媛)-  宇部鴻城(山口)

海  星(長崎)-  聖光学院(福島)

智弁学院(奈良)-  八戸学院光星(青森)

神村学園(鹿児島)-  高岡商業(富山)