近江(滋賀)の昨夏8強バッテリーが甲子園に戻ってきた。
昨年は準々決勝で吉田輝星(当時3年=日本ハム)を擁する金足農(秋田)にサヨナラ負け。主将の有馬諒捕手(3年)は「恐い物知らずで駆け上がってきた自分たちに、金足農がまだまだだと教えてくれた。成長した姿を見せ、エース林を中心に守り勝つ。去年の借りを返します」と力を込めた。
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2019年8月5日。
いよいよ令和元年の夏、甲子園大会初日を明日に控えた今日。
組み合わせ抽選の結果を見て”愕然とした”カードがあります。
先日の記事でも触れていますが、、
東海大相模(神奈川)vs 近江(滋賀)。
いきなりの強豪校同士の対決。
ここまでの前予想を総合してみると、「東海大相模が有利か、、。」という見方が多い気がします。
それに加え、東海大相模には秋田県にかほ市出身の遠藤成(えんどう・じょう)選手がいます。
彼は178cm、82kg、最速145kmをマークする投手であり、神奈川県大会ではホームランも放つなど、投打に活躍する、誇るべき秋田球児です。秋田県民としては、この対戦、遠藤選手が所属する東海大相模を応援したくなるのは自然かもしれませんね。
しかし、私個人としては”斬新”といいますか、思い切った記事のタイトル、見出しを付けたように、この一戦、いや、この夏の大会においては秋田中央を除き、”近江推し”でいきます。
その根拠を以下に、、。
(以下、『朝日新聞デジタル』の記事から引用です。)
昨夏の準々決勝、金足農業が劇的な2ランスクイズを決め、近江にサヨナラ勝ちを収めた時の場面です。
(引用文)----------
金足農の選手が菊地のもとに駆け寄り、歓喜の輪を作る。近江の選手はその場から動けなかった。
わずか5秒ほどで、勝者と敗者が入れ替わった劇的なプレー。
その直後のシーンだった。
金足農の主将・佐々木大夢は歓喜の輪からすぐ離れ、打者が置いたバットを拾って一塁ベンチ前に片付けた。振り返ると、近江の2年生捕手・有馬諒が、倒れ込んだままでいるのが見えた。
近江の主将・中尾雄斗は三塁ベンチにいた。「うそやろ」。ベンチを出て有馬のもとへ走ると、佐々木が先に到着していた。
だから有馬は、金足農の主将と近江の先輩たちに抱え上げられるようにして起き上がった。
金足農のエース・吉田輝星はその様子を目にして、「ああ、普通の負け方じゃないんだな」と感じた。「最後の夏にこんな負け方をした相手に何かできないかな」
試合で使用したボールは球審から勝利校の主将・佐々木に渡された。そのウィニングボールを吉田はもらい、試合終了のあいさつをした後、近江の4番打者・北村恵吾に差し出した。
「負けた悔しさは自分もわかるから。記念のボールを持っていたらいい思い出になるかもしれないという気持ちだった」。プロ野球日本ハムに入団した吉田が、その時の思いを教えてくれた。
北村は固辞したため、主将の中尾に手渡した。佐々木も「もらってよ」とうながした。
「何ていうか、感謝の気持ちだった。甲子園で一番いい試合をして、相手をたたえたい気持ちが芽生えた。スポーツマンとして、アスリートとして、ごく自然に出た。吉田も同じだったと思います」。日本体育大学に進学した佐々木はそう振り返る。
近江の中尾は「どういう意味か、はじめはわからなかった」と苦笑する。あいさつをして歩み寄ったとき、吉田は胸元にボンッとボールを押しつけ、「あげる」と言った。
よくわからないままボールをもらった中尾は、三塁側ベンチに引き揚げる際、「監督が誕生日やからか」と思い至った。近江を率いる多賀章仁は、試合があった8月18日が59歳の誕生日。「勝って監督にウィニングボールをプレゼントしよう」と臨んだ試合だった。
実は吉田にそこまでの意図はなかったが、中尾はそう解釈した。
監督の多賀は夏が終わるころ、そんなやりとりがあったと知って感激した。「私は生徒に常々、痛みがわかる人間になって欲しいと話している。負けた側のことを思える選手になりなさい、と。金足農は私が理想とするチームです」
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甲子園の場で球児たちが作り上げるドラマはノンフィクションですが、我々見ている側は、そこにちょっとした”フィクション性”を持たせたがるものだと、私は思っています。
自分の中で彼らのやり取りに勝手なドラマを感じ、その試合に自分なりの意味を持たせたがるのです。
私の場合は、今年の夏、近江高校に最も感動できるドラマを作ってほしいと願っています。
近江の多賀監督は、吉田輝星が内野ゴロを打った際、1塁に向かって全力疾走する様を見て驚いたといいます。そういった金足農業のプレーに対する思いも含めて、『私が理想とするチーム』と話したのかもしれません。
ウイニングボールを吉田から渡された近江側は真意を理解してなかったかもしれませんが、私は勝手に、金農から近江に託された夢だと、そう思いたいです。
金農に負けた直後は、近江の選手たちは悔し涙を流しましたが、甲子園の土を集める時の彼らは意外なほど明るかったといいます。後からテレビで観たときの彼らの様子をまだ覚えてます。
(吉田の投球を指して)『何や、アレ。ハンパないって!』
笑いながら甲子園の土を集める近江の選手たち。
この”劇的な敗北”は彼ら近江の選手たちの心に深く刻まれたでしょうし、何より、林、有馬の二人には特別なものとなっていたでしょう。
林、有馬バッテリーが特別な思いを抱いていたであろう、記事を紹介させて頂きます。
(以下、『日刊スポーツ』の記事から引用)
(引用文)----------
<全国高校野球選手権:甲子園練習>◇2日
近江(滋賀)の昨夏8強バッテリーが甲子園に戻ってきた。
昨年は準々決勝で吉田輝星(当時3年=日本ハム)を擁する金足農(秋田)にサヨナラ負け。主将の有馬諒捕手(3年)は「恐い物知らずで駆け上がってきた自分たちに、金足農がまだまだだと教えてくれた。成長した姿を見せ、エース林を中心に守り勝つ。去年の借りを返します」と力を込めた。
ーーーーーーーーーー(引用ここまで)
この有馬キャプテンの言葉を聞き、昨夏の金農フィーバーに沸いた秋田県民としては、感情移入なしに彼らのプレーを観ることができるでしょうか?
私なら、思い切り感情移入して観てしまいます。
できることなら、秋田中央と決勝の大舞台で巡り会ってほしいと願っています。
そのためにもまずは、双方ともに準々決勝の抽選まで勝ち上がってほしいと思います。
頑張れ、秋田中央! 頑張れ、近江ブルー!