タイブレーク制度導入の是非について | 高校球児たちのあしあと
”球児の数だけドラマがある。”

タイブレーク制度導入の是非について

2020年4月1日

そもそも”タイブレーク”とは?

皆さん、野球における『タイブレーク』なる制度をご存知でしょうか?

その字義のごとく、「膠着した試合の均衡を破る」ことを目的として、試合に恣意的な状況を設定する、というものです。

分かりづらいですね、、、。

試合が同点のまま延長戦に突入した場合、延長10回からは1死満塁の状況からスタートし、互いに得点のチャンスを広げることにより、試合の早期決着を図るものです。

この「タイブレーク」制度の導入が促進されるきっかけとなったのは、2017年春の選抜大会において、2試合連続延長15回引き分け再試合が起きたことによるものだとか、、。

 

投手が不利な状況を背負わされるのはどうなのか?

この制度導入に関して全国47都道府県にアンケートをとったところ、38都道府県が賛成、2都道府県は反対、残り7都道府県は未回答とのこと。

つまりは、ほとんどの都道府県がこの「タイブレーク」制度の導入に賛成の立場。

私はこのアンケート結果に不満です。いや、大いに反対の立場を表明したいと思ってます。

何故か?

同じくこの制度に反対のご意見をお持ちの方なら理解してくれるはず。

他のブログやサイトなどでも同様のご意見が出ているようですが、まず第一に、

ピッチャーがいきなり不利な状況を背負わされることに納得がいきません!

私は趣味程度で野球をやってるズブの素人ですが、、長年多くの名勝負を観戦し、悔しさに涙を流す多くの高校球児を見てきました。

それまで必死に好投を重ね、幾多のピンチを切り抜け、失点を抑えてきたその投手の苦労を思えば、、自身が招いたわけでもないピンチをいきなり背負わされるのは理不尽だと思います。これは投手以外の野手も同じ気持ちになりはしないでしょうか?

「条件は同じなのだから、勝てばいい話じゃないか。」

そうおっしゃる方の意見も理解はできます。

しかし、その理解を越えるものが、、熱意?情熱? 言葉にできませんが、球児たちのそれまでの頑張りを無にするようなものとしか、私には思えません。

 

”名勝負”を台無しにしてしまうのでは?

これも他のブログやサイトなどで同意見が出ているようです。

高校野球の見どころって、やっぱりあの熱いドラマ性じゃないですか。

ある程度の点差をつけられても、終盤まであきらめずにヒットをつなぐ、そして劇的な逆転勝利を収める。勝っても負けても、あの”熱量”があるから、観ている方も応援したくなるのだと思います。

それなのに、、「タイブレーク」を持ち込んだら、、熱いドラマどころか、完全なる「フィクション」じゃないでしょうか?そのような試合を観ていて心から楽しめるでしょうか。私には無理です。

高校野球ファンなら、覚えているはずです。

2006年夏、甲子園決勝で行われた決勝戦、延長15回の死闘、引き分け再試合を。

あの試合は駒大苫小牧(南北海道)の田中将大投手と、早稲田実業(西東京)の斎藤佑樹投手の”凄絶な投げ合い”でもありました。ドラマがありました。「引き分け再試合」なんて、それこそがもう、ドラマじゃないですか。

 

2019年夏、「タイブレーク」で散った金足農業

「タイブレーク」制度を推し進める利点として、選手たちの疲労軽減大会日程の長期化を防ぐなどが挙げられています。

投手の球数制限なども取沙汰されており、確かにその利点は一理あるとは思います。

でも、それでも、私は賛成できません。

秋田県勢を応援する一人として、今夏、3回戦で延長13回タイブレークの末、角館に敗れた金足農業を見過ごすことはできません。あの試合は、1年生ながら233球を投げぬいた山形投手に拍手を送りたいと思います。『吉田二世』とも称されている彼なら、来年、再来年へ向けて大きな成長をしてくれるものと期待してます。

そして、そこまで力投を重ねていながら「タイブレーク」のために敗れた(という観点でどうしてもとらえてしまう)彼、金農メンバーのことを思うと、「やはり制度導入はやめてほしい!」と言いたくなるわけです。

もちろん、勝負の世界ですから、あそこでタイブレークにしなくても、どうなっていたかは分かりません。ですが、2回戦で逆転サヨナラ勝ちを果たしたように、また『メークドラマ』を引き寄せていたかもしれない、、。そんなことも考えてしまいます。恣意的な設定ではなく、フィクションでもなく。

今後もこの制度の成り行きを注視していきたいと思います。