2019夏 秋田県大会決勝戦 明桜 vs 秋田中央 | 高校球児たちのあしあと
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2019夏 秋田県大会決勝戦 明桜 vs 秋田中央

2020年6月24日

今日もやってきました、こまちスタジアム。

昨日の準決勝時より気温が上がるようですが、今日は風が強く、それが肌に心地よいです。

試合前に明桜のウォーミングアップの様子を確認できました。

『宿命』のBGMが流れるなか、選手たちの快活な声がこまちの空に響きます。

試合前のシートノックに合わせ、互いの応援スタンドからは爆音応援が。

すでに戦いは始まっているのです。

好投手同士の投げ合いが目立った前半戦

先発投手は明桜が背番号10の工藤、秋田中央はエース松平です。

明桜の先攻で試合開始。

明桜の『戦闘開始』の応援歌がこまちスタジアムに響き渡ります。

 

1回表、明桜の1番加藤はファーストゴロに倒れます。

2番下沢はフォアボールで出塁。

3番大上が内野ゴロの間に下沢は2塁へ。

4番平尾はフルカウントの後、見逃し三振。得点ならず。

最も出塁率が高く、下馬評も良かった明桜の加藤を抑えたことで中央のエース、松平は波に乗れるのか?

 

1回裏、秋田中央の攻撃。

秋田中央も初回は『戦闘開始』で選手たちを鼓舞します。

 

1番新堀はフルカウントの後、セカンドゴロ。

2番鷹島はフォアボールで出塁。

3番河野がレフト前にはじき返し、1死1,2塁のチャンス。

4番斎藤光。しかし内野ゴロでゲッツー。こちらも無得点。

両ピッチャーともに悪くない立ち上がり。

 

2回表、明桜の攻撃。

それまでの6番から5番に上がった漁野。

漁野、工藤ともに凡打で2死。

7番、これまたスタメンに上がった福井。しかし三振に倒れ、この回も無得点。

 

2回裏、秋田中央の攻撃。

昨日の準決勝でホームランを放った1年生の5番、野呂田。今日もまず、センター前にはじき返し、ノーアウトで出塁。

6番斎藤椋。送りバント成功で1死2塁。

7番佐々木がセカンドゴロの間にランナーは3塁へ。2死3塁。

8番松平。ここは明桜工藤が三振に打ち取り、この回も無得点。

 

3回表、明桜の攻撃。

8番東。ライト前ヒットで出塁。

9番西村。ライトフライ。飛んだところが微妙だったため、ランナーが飛び出しており、2死。

1番加藤へ。フォアボールでツーアウトから出塁。

2番下沢。ライト前に落とし、2死1,2塁。

ここで3番大上。明桜は絶好のチャンス!

キャッチャーの送球をセカンドが後逸する間にランナーはそれぞれ進塁。2死2,3塁。

しかし、ここはエース松平が大上を三振に切って抑え、ピンチを逃れます。

秋田中央応援スタンドが盛り上がります。今日も松平の投球には安定感が。

 

3回裏、秋田中央の攻撃。

9番荒川から。サードゴロで1死。

1番新堀へ。キャッチャーフライで2死。

2番鷹島。明桜の工藤も好投が続きます。鷹島は粘ってセンター前に上手く落とし、2死から出塁。

2死1塁。

しかし続く3番河野はショートゴロでスリーアウト。この回も無得点です。

両ピッチャー全くスキを見せない好試合。

 

4回表、明桜の攻撃。

4番平尾から。右中間まで飛ばすもライトが追いつき、1死。

5番漁野。ショートゴロで2死。

6番工藤もセカンドゴロで三者凡退。

 

4回裏、秋田中央の攻撃。

4番斎藤光から。空振り三振に。明桜の工藤も好投という点では負けていません。

5番野呂田。”昨日(準決勝)のホームランを彷彿とさせる大きい当たり”でしたが、レフトが追いつき、2死。

6番斎藤椋も倒れ、この回も無得点。

 

5回表、明桜の攻撃。

7番福井がフォアボールで出塁。

8番東がライト前ヒットでノーアウト1,3塁。明桜先制のチャンスか?

9番西村はスクイズを狙うも、バッテリーに外され、3塁ランナーはアウト。この間に1塁ランナーは盗塁も絡めて3塁まで進出。結局、西村は打ち取られ、2死3塁。この場面は中央の1年生キャッチャー野呂田の好判断。執拗に明桜サイドがスクイズを仕掛けてくるのを読み、見事に投げ球を外させました。1年生とは思えない落ち着きぶり!

1番加藤へ。

ここで中央のエース松平は加藤を警戒したのでしょうか、(敬遠?)フォアボールを与え、2死1,3塁。

2番下沢。

ここのピンチも三振に打ち取り、明桜に得点を許さず。なんという勝負強さでしょうか、松平。

 

5回裏、秋田中央の攻撃。

7番佐々木がライト線ギリギリに運んでヒット。ノーアウト1塁。

8番松平。ショートゴロでゲッツー。ツーアウトランナーなし。

9番荒川もショートフライでスリーアウト。

前半戦終了。

 

明桜 0-0 秋田中央

 

予想以上の投手戦です。ここまで来ると、1球のコントロールミス、守備のエラーが致命傷になるかもしれません。

あまりの暑さ、、グラウンドには再び散水を。

この長期のインターバルが、あるいは試合の流れを変えることになったのかもしれません、、。

 

長いインターバル明けの6回表、明桜の攻撃。

3番大上はサードの横を抜けるレフト前タイムリーヒット。2塁へ。

4番平尾も三遊間を破るヒット! しかし、平尾が2塁を狙い過ぎたため、アウトに。1死3塁。

5番漁野は打ち上げてしまい、キャッチャーフライで2死。なかなかチャンスを生かせない明桜。

6番工藤もピッチャーライナーでスリーアウト。

明桜はせっかくのチャンスを潰してしまいました。秋田中央の守備は固いです。本当にエラー一つが試合の明暗を分けそうな展開に。

 

長い均衡を破った中央の”恐打者”、野呂田

6回裏、秋田中央の攻撃。

この回は好打順、1番新堀から。

しかし新堀は三振に倒れ1死。

2番鷹島はセンター前に転がし、1死1塁。

3番河野はサードゴロですが、この打球を明桜サードの平尾が弾いてしまい、1死1,2塁。明桜にとって、このミスが致命傷になります。

そして4番斎藤光。

『チャンスで打つのが4番。』もちろん、斎藤の気持ちは並大抵のものではないでしょうが、しかしここは三振に倒れます。

5番野呂田へ。

秋田中央応援スタンドの期待感は尋常ではありませんでした。野呂田はその期待に応え、ライト前ヒット。ついに中央が先制点をもぎとります。 

明桜 0-1 秋田中央

 

鳥肌が立つほどの球場の大声援。なお、2死1,3塁。

やはり先ほどの明桜のミスが響いてしまいました、、。

6番斎藤椋。

流れというものは恐ろしいものです。

斎藤椋も三遊間を抜けるヒットで中央が2点目を奪取。 

明桜 0-2 秋田中央

 

なおも2死1,2塁。

明桜の工藤が捕まり始めました、、。ここを踏ん張れるか。

しかしフォアボールを与えてしまい、2死満塁。

 

ここで明桜はピッチャーを工藤から、背番号11の長尾へ。工藤はレフトに入ります。

 

輿石監督はここが勝負どころだと思ったのでしょう。1点を争う勝負。もはや1点も許せない。

秋田中央は8番松平。

フルカウントで緊張が走ります。しかしセカンドゴロに打ち取り、スリーアウト。

ここから明桜の反撃なるか。

 

7回表、明桜の攻撃。

7番長尾は三振に。

8番東も凡打に倒れ、2死。

9番西村も見逃し三振。

明桜打線は松平に全くスキを見出せません。

 

秋田中央、明桜長尾から追加点奪取

7回裏、秋田中央の攻撃。

9番荒川から。ライト前にギリギリ落とし、ノーアウト1塁。

1番新堀。フォアボールでノーアウト1,2塁。

長尾の制球が定まりません。

2番鷹島は送りバントを手堅く決め、1死2,3塁。

しかし長尾は続く3番河野を三振に抑え、2死。

4番斎藤光。まだまだ長尾のピンチは続きます。

斎藤は上手くセンター前にはじき返し、走者一掃のタイムリーで2点追加!!

明桜 0-4 秋田中央

 

さらに5番野呂田。しかしここはセカンドゴロに打ち取り、スリーアウト。

明桜にとって手痛い2失点でした。

 

明桜土居の一打で同点へ!

8回表、明桜の攻撃。何とか反撃のきっかけをつかみたいところ。

打順は好打順で1番加藤から。

キャプテンの意地を見せられるか、、内野ゴロ。ヘッドスライディングで飛び込むもアウト。

2番下沢。三振で2死。

3番大上はセカンドとライトの間に落とし、出塁。2死1塁。

続く4番平尾もヒットでつなぎ、2死1,3塁。

5番漁野。明桜はこのチャンスを生かしたいところ。

漁野は期待に応え、センター前にヒット!!

1点返し、なお2死1,2塁。

明桜 1-4 秋田中央

 

 

そして6番工藤は内野ゴロに倒れたかと思いましたが、送球が逸れたのと、工藤の好走塁でセーフ。

2死満塁に!

明桜のチャンスは続きます。

7番長尾。

明桜はここで代打に土居を起用。

明桜応援スタンドの声援が大きくなります。

いやがうえにも期待が高まる明桜スタンド。

『ロッテチャンステーマ』がいっそう大きくなります。

土居は松平の変化球を見逃します。あくまでもストレート狙いか?

待ち構えていたストレート!

土居が振り抜きます。

何と!、、値千金のセンターオーバー3塁打!!

走者一掃で一挙に同点!

明桜 4-4 秋田中央

 

ここで秋田中央のエース松平がついに降板! ピッチャーはキャプテンの熊谷に。

なおも2死3塁。

明桜は8番東。フォアボールで2死1,3塁。

続く9番西村は三振。熊谷のピッチングにタイミングが合いません。

しかし明桜はこの回で同点に追いつき、意地を見せました。自然と明桜応援スタンドから拍手が。

決勝にふさわしい好勝負!

 

8回裏、秋田中央の攻撃。

ここで明桜はエース佐々木湧を投入。

中央は6番斎藤椋から。ライト線のファウルフライで1死。

7番佐々木。今度もライト線ギリギリでしたが、フェアでヒットに。

8番熊谷。送りバントを決め、2死2塁。

9番荒川。フォアボールを与えてしまい、2死1,2塁。

しかし続く1番新堀を見逃し三振に抑え、スリーアウト。エース佐々木湧の面目躍如。

 

9回表、明桜の攻撃。

1番加藤からの好打順。センター前に飛ばすも、センターのファインプレーでアウト。

2番下沢はフォアボールで出塁。1死1塁とします。

3番大上。上手くバント動作を牽制で見せながら相手ピッチャー熊谷を揺さぶり、フォアボールを誘い出します。1死1,2塁。

4番平尾。内野ゴロになりますが、ゲッツーはさせず、2死1,3塁。

5番漁野。またもフォアボールで2死満塁。

6番工藤。明桜応援スタンドの期待が大きくなります。しかしここは三振に倒れ、スリーアウト。得点ならず。

 

秋田中央、サヨナラのチャンスに明桜工藤が立ち塞がる

同点のまま、9回裏、秋田中央の攻撃へ。

2番鷹島からの好打順。嫌がうえにも中央応援スタンドは盛り上がります。

明桜エース佐々木湧はショートゴロに打ち取り、1死。

3番河野。

ここで右中間を破るタイムリースリーベースヒット。一気にサヨナラのチャンス!

1死3塁。

そして打順は4番の斎藤光。

ここで明桜は再び工藤がマウンドへ。明桜輿石監督の采配が目まぐるしい。しかしこれが吉と出ます。工藤に対して本日、全く打てていない斎藤光。そこで輿石監督は工藤を起用したのでしょうか。明桜としてはサヨナラのピンチ。斎藤光もここは、という気持ちだったでしょう。

秋田中央、サヨナラのチャンス。

工藤が1球を投じるごとに球場からはどよめきともつかない声が、、。

ここの勝負は工藤に軍配が上がります。斎藤をショートゴロに。2死3塁。

しかし、まだまだサヨナラのチャンスは続きます。

今大会の”恐打者”、5番野呂田。

工藤も140キロの速球を見せるなど、気合十分。

結局、工藤が野呂田をも抑え、スリーアウト。工藤、ガッツポーズでベンチへ。

試合は延長戦へ。

ここは明桜・輿石監督の名采配の勝利、といったところでしょうか。5回まで無失点に抑え、このような要所で期待に応えた工藤投手も素晴らしいと思いました。

 

ーーーーー【延長戦】ーーーーー

 

10回表、明桜の攻撃。

殊勲の3点3塁打を放った7番土居から。

フォアボールで出塁。無死1塁。

8番東が送りバントを決め、1死2塁。

9番田中はレフトフライに倒れ、2死2塁。

1番、キャプテン加藤が、、昨年(千葉ロッテの山口など)先輩が果たせなかった思いを背負い、打席へ。しかし、ここも加藤は敬遠されたのでしょう。フォアボールで2死1,2塁。

2番下沢へ。何とデッドボール。2死満塁に。

ここで3番大上。秋田中央はピッチャー交代します。背番号20の信太がマウンドへ。

明桜応援スタンドからは大上コールが。しかしここは信太の勝利。大上は三振。

満塁のチャンスを逸した明桜。

 

 

10回裏、秋田中央の攻撃。

6番斎藤椋。サードゴロで1死。

7番佐々木もセカンドゴロで2死。

工藤は安定感のあるピッチングを見せます。

8番、変わったばかりの信太。何と工藤はここでデッドボール。2死1塁に。

しかし9番荒川がサードフライに倒れ、スリーアウト。延長11回へ。

 

11回の攻防で明暗がくっきりと

11回表、明桜の攻撃。

4番平尾から。レフト線ギリギリに落とし、タイムリーツーベース。無死2塁。

5番漁野。送りバントを決め、1死3塁。

6番工藤。明桜応援スタンドからは”タイセイ”コールが。(「工藤泰成(たいせい)」)

フォアボールで1死1,3塁。

7番土居。これまたフォアボールで1死満塁。明桜またも大チャンス。

8番東。この東の打球が微妙なライト前に。ライトがダッシュしてキャッチし、2死。しかも明桜の2塁、3塁ランナーは進塁していたため、ボールはセカンドに渡り、秋田中央の選手のアピールアウト3死。秋田中央の選手はドカベンの『ルールブックの盲点』が頭にあったのでしょうか、、声を掛け合い、3塁にも送球して、ダメ押しの4死

明桜のチャンスは最後の一刹那まで完全に封じられました。おそらく、『3塁ランナーがアピールアウトの前にホームインしていた。』という抗議をしたのでしょう。明桜のキャプテン加藤が審判に詰め寄っていましたが、結局アピールアウトが認められ、明桜はこの回も無得点。

秋田中央の冷静かつ的確な判断の勝利、と言えそうです。

 

11回裏、秋田中央の攻撃。

好打順、1番新堀から。

センター前ヒットで出塁。無死1塁。

2番鷹島。送りバントを決め、1死2塁。

3番河野。ライトフライに倒れ、2死2塁。

4番斎藤光。

再びのサヨナラのチャンスで打った斎藤の打球はセンターオーバー。

打球を追った明桜のセンター大上が背面でのダイビングキャッチ!

ボールはグラブに収まった!

かに見えましたが、、(大上は試合後、”つまづいた”と言っているようです。)弾みで、一度グラブに入ったボールが浮き出し、落球。無情にもセンターフェンスにまで転がり、2塁ランナーの新堀がサヨナラのホームイン。

秋田中央の選手たちがホームに駆け寄り、歓喜の渦が。

落球した明桜のセンター大上はしばしその場にうずくまり、しばらく動けませんでした。どれだけ悔しかったことでしょう、、。しかし、これが野球。これが勝負の現実。

この時点で延長11回の激闘に決着が付きました。

明桜 4-5x 秋田中央

明桜のキャプテン加藤は昨年成し遂げられなかった、先輩山口等からの夢を託されていましたが、惜しくもあと一歩というところで逃してしまいました。しかし、加藤は涙を見せず、笑顔で後輩たちに声をかけていたそうです。試合後、ベンチ前で泣き崩れる工藤。力投が光っていただけに、その気持ちは察するに余りあります。

 

秋田中央の選手、そして明桜の選手たち、延長11回に及ぶ激闘、お疲れさまでした!

本当に、久々に血が熱くなりました。個人的には明桜工藤投手の力投を讃えたいと思います。

ここでの熱闘の記録はこの先もずっと消えることはありません。輝ける名勝負をここに残しておきます。